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銀の用途として古来より最も重要だったものは、貨幣としての利用である。銀はほぼすべての文化圏において高い価値を持ち、金とともに貨幣として広く流通した。日本においても、江戸時代には丁銀および豆板銀と呼ばれる秤量貨幣が鋳造され、計数貨幣である金および銭と併用して使用された。銀貨の通用圏は大阪および上方を中心としており、金を中心とする江戸と二本立ての通貨体制となっていた。この金・銀・銭の3つの通貨間の為替レートは常に変動し、これらを両替する両替商が各都市に存在した。

銀はしばしば本位貨幣としても用いられ、銀を本位貨幣とした銀本位制は清や中華民国などで採用されていた。ヨーロッパにおいては、金貨と銀貨がそれぞれ流通する、いわゆる金銀複本位制がとられていたが、1816年にイギリスが金本位制に転換して以降、諸国はこれに倣い、銀の貨幣としての重要性は低下していき、20世紀の工業用銀需要の高まりなどでの銀価の上昇・銀地金の不足もあって、一般流通用として銀を貨幣に用いる国家はなくなった。現在では記念硬貨や地金型銀貨として、製造・発行されている。

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